映画『マリッジ・ストーリー』情報
2019年 米英合作映画 136分 原題 Marriage Story
監督 ノア・バームバック
アダム・ドライバー・・・チャーリー/舞台演出家。脚本家。ニコールの夫
スカーレット・ヨハンソン・・・ニコール/女優。チャーリーの妻
アジー・ロバートソン・・・ヘンリー/チャーリーとニコールの息子
アラン・アルダ・・・バート・スピッツ/1人目のチャーリーの弁護士
ローラ・ダーン・・・ノア・ファンショー/ニコールの弁護士。セクシーな敏腕弁護
レイ・リオッタ・・・ジェイ・マロッタ/2人目のチャーリーの弁護士。敏腕弁護士
映画『マリッジ・ストーリー』ネタばれあり感想
①見終わった後に温かい気持ちになれる
3日連続のノアバームバック監督作品感想です。
(『イカとクジラ』→『マイヤーウィッツ家の人々』→『マリッジ・ストーリー』)
こういう映画鑑賞の仕方は初めてです。ある意味漫画の作家買いみたいですが(笑)、割といいな、と思いました。
「3作品で一番好きな作品は何?」
と聞かれたら『マイヤーウィッツ家の人々』なんですが、
「見た後に一番暖かい気持ちになったのは?」
と聞かれたら、『マリッジストーリー』でした。
②離婚のお話
『マリッジ・ストーリー』というタイトルですが、夫婦が離婚するお話です。
なんでも、ノアバームバック監督は昔、女優のジェニファー・ジェイソン・リーと結婚してたんですが、離婚されていて、その時の体験をもとにこの作品を作ったそうです。
『イカとクジラ』を自分の幼少期の体験を元に作り、『マリッジ・ストーリー』では自分の離婚体験を作品にする・・・。
(まさに身を削って作品を作る監督なんだな・・・)
と思いますし、
(身内だったらもしかしたら嫌かもなあ・・・(汗))
とも思います。特に別れた奥さんなんて、
「おい!何してくれてんのじゃッ(怒)!」
って思っても仕方ないかもしれませんが、ジェニファー・ジェイソン・リーは嫌じゃなかったかもなあと思いました。何故なら、『マリッジ・ストーリー』の別れる奥さんが魅力的だからです。
結局離婚しちゃうんですが、奥さんへのリスペクトが感じられました。
だから温かい気持ちになれたんだろうなあと思います。
③スカーレット・ヨハンソンが素敵
映画『『マリッジストーリー』は、主演のチャーリーを演じたアダム・ドライバーも、奥さんのニコールを演じたスカーレット・ヨハンソンも、ともにアカデミー賞にノミネートさました。お二人ともとても素晴らしかったです。
個人的には特にスカーレット・ヨハンソンが好きでした。
スカーレット・ヨハンソンは映画『ブーリン家の四姉妹』を見て、綺麗だし色っぽい方だなあと思ってました。
ですが、今回は特に
「気持ちで芝居をされる、素敵な女優さんだなあ」
と思いました。
美人で色っぽいハリウッドスターというと背が高いイメージがありますが、意外にも160cmだそうで、割と小柄なのかなとも思いました。
きっとアダム・ドライバーが大きいので(189cm!)余計にそう思ったのかもしれません。
スカーレット・ヨハンソン祭りをしたいな、と思うぐらい素敵でした。
④台本のクオリティが高い
ノア・バームバック監督3作品連続で観て感じたのは、台本のクオリティの高さです。
セリフが、あちこちにパンパン飛びます。
例えば真剣な話をしているのに、急に朝ごはんの話をするとか・・・。
「みんな、日常普段そうやってるじゃん」
と言われればそうなのですが、ここまで日常会話がリアルに描かれてる台本は珍しいんじゃないか?
と感じました。
またそれを役者さんたちが、コントのようには大げさではないけど、でもきちんと的確にポイントを押さえた芝居で積み上げているから、笑いにつながっていくのだろうなあ・・・。
つまり上手な役者さんたちじゃないとこの作品はだめなんだろうなと思いました。
まあ、どの作品でもいい役者さんがいいに決まってますが(汗)
特に私のお気に入りのシーンは
- チャーリーとニコールが言い合いになった時、徐々に感情が爆発していくシーン
- 最後チャーリーがニコールの手紙を読むシーン
です。抜粋して、演技のレッスンなどやってみたいようないいシーンばかりで、人物たちの心情が徐々に変化していき、とてもドラマチックです。
「これは、ほんといい台本の作品なんだなあ」
と感じました。珍しく台本も最初からきちんと読んでみたいなあと思いました。
余談
チャーリーは舞台演出家、という設定なのですが、自分が舞台をしているせいか、
「そうなんだよねー、舞台はお金にならない。稼いだら全部舞台に使っちゃうからねー・・・。アメリカでもそうなんだ。・・・万国共通なのかな???」
となんとも言えない気持ちになりながら見てしまいました。