映画『フォレストガンプ/一期一会』情報
1994年アメリカ映画 142分 原題 Forrest Gump
監督 ロバート・ゼメキス
トム・ハンクス・・・フォレスト・ガンプ/知能指数が低い。前向きな姿勢で数々の困難を乗り越えていく
サリー・フィールド・・・ミセス・ガンプ/フォレストの母親。女手一人でフォレストを育てる。フォレストにたっぷりの愛情を注ぐ
ロビン・ライト・・・ジェニー・カラン/フォレストの幼馴染。幼少期に虐待を受けて育つ。フォレストの最愛の人
ゲイリー・シニーズ・・・ダン・テイラー/ベトナム戦争でのフォレストの上官。戦争で両足を失う
ミケルティ・ウィリアムソン・・・ババ・ブルー/フォレストの親友。エビ漁業を夢見る。ベトナム戦争で死ぬ
映画『フォレストガンプ/一期一会』ネタバレあり感想
①ヒロインがかわいそう
めちゃくちゃヒットしたのは知っていました。トムハンクスがアカデミー賞をとったことも知ってます。いい映画、だということも感じてました。
でも!ずっと避けていました。なぜか?噂で知っていたのです。
ジェニー(ヒロイン)がつらいと・・・。
私は、女性がつらい話というのは避ける傾向があります。
だって見ていてつらいじゃないか!!!
男の子は、つらさを知恵と勇気で乗り越えて、幸せをつかむっていう少年漫画のサクセスストーリーで頑張ればいいんですけど。(男子には厳しく!)
例えば、この作品が、ジェニーが主人公だったら、そんな逆転サヨナラストーリーもあり得たかもしれないんですけど、主人公はあくまでガンプ・・・。
その時点で嫌な予感しかしないんですが・・
しかし、これも何かの縁と思い観てみました!
②いい映画だった
いい映画でした。二時間半近くあっても、飽きずに見られました。
(家のテレビで映画を観て私が集中できるのは一時間半ぐらい。頑張っても二時間)
いやいや、飽きるどころか、かなり号泣しました。見終わった後、胸にジーンと来ました。
しかし!やはり何度もは見ない。だってやっぱりジェニーがつらいじゃないか!
③男たちの人生は充実してた
ガンプとババとダン中尉の男たちの友情の話は良かったんです。ガンプの真っ直ぐさが悲しみ乗り越える力をくれる、という感じで。
(ババは戦争で死んでしまったし、ダン中尉も足を失ってしまうけど・・・)
④どう考えてもヒロイン・ジェニーが不幸すぎる
しかし、どう考えてもジェニーは不幸すぎると思うんです。
そもそも選びようがないのに親が最悪で。
最悪と一言で言っても、色々ありますが(今、はやりの毒親とか)。
よりによって虐待、しかも父親に性的虐待を受けて育つってそりゃ自分の体を大切に出来なくなってしまうのも無理ないって話なんですよ(怒)!
安易に自分の裸体でお金稼いで、大学中退になって、ストリップ劇場で働いて、変な男たちとかかわって、情婦みたいになって、薬に手を出してエイズになって死ぬって・・・。誰か、彼女を救ってくれーっ!っ叫びました。
「ガンプに愛されてたからいいじゃない。」
「最後はガンプと穏やかな日々を送れたのだからいいじゃない。」
じゃねーんだよ(怒)!!!←怒りで血管が切れそう
本人の責任といわれるかもしれませんが、人生の岐路で、必ず悪い方を選んでしまう。そしてその隣には誰かしら彼女を殴る男がいる!!!←もう一度言いますけど、怒りで血管が切れそう
・・・あああ。やはり何度も観れない。いい映画なんです、いい映画なんですけどね。
⑤一番泣けたのはガンプが子供の存在を知った時
名言の沢山ある映画ですが、私がガンプ一言で一番泣けたのは、ジェニーが自分の子供を産んだのを知って、その時言った
「頭は?」
の一言でした。
どんなに愛されて育って、自己肯定が強く、前向きなパワーで困難を乗り越えてきたガンプでも、彼の知能指数が低いという現実は変わらないわけで。
自分は現実と向き合って戦っていけるけど、子供にはつらい思いをさせたくない、という親心と、マイペースな超人ガンプでも、本当はつらいんだ、という彼の本音が見えた気がして、余計に号泣でした(涙)。
⑥ジェニーはいつ自分がエイズだと知ったのか?
ジェニーはいつ自分がエイズだと知ったのか?これは明らかにはされていませんが、私はジェニーが初めて自分でガンプに会いに来た時には知ってたんじゃないかな、と思いました。それまで、ジェニーとガンプの人生は何度か交錯しますが、ジェニーが自分の意志で会いに来たのはその時が初じゃないかと。
ジェニーとガンプが結ばれた日。
ジェニーは白い服を着ていて、どん底まで落ちて、自分の人生を見つめなおしているジェーンの内面との差を演出してるのかな?と思いました。
全部自分の人生をリセットして、一からやり直したい。でも自分が真っ白な人間じゃないことも、ガンプを巻き込んではいけないこともわかってる。それが、ジェニーがガンプと結ばれた後に去った理由かな、なんて思ったりしました。
ちょっと前の私だったら、エイズで人とそういうことになり、ましてや子供を産むなどあり得ぬ!と思っていました。
でも逆に子供ができたことで、たとえ子供に感染していようとも、この子を幸せにしようという覚悟がジェニーに出来て、人生がいい方に回り始めたのかな、と。
そもそもガンプの母親も、ガンプを普通学級に入れるために教師と寝るという選択をするほど、ある意味狂気的な愛に突き動かされていた女性です。
「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」
そう考えてみると女性たちの愛と覚悟のお話かと。
とても色々考えさせられる名作でした。でも、二度は見れない。
だってジェニーがかわいそうすぎる(泣)。