映画『チェンジリング』情報

2008年 アメリカ映画 原題 Changeling
監督 クリント・イーストウッド

アンジェリーナ・ジョリー・・・クリスティン・コリンズ/電話会社に勤めるシングルマザー。ある日急に息子のウォルターが行方不明になる
ジョン・マルコヴィッチ・・・グスタヴ・ブリーグレブ牧師/警察の不正を追及している牧師
ジェフリー・ドノヴァン・・・J.J.ジョーンズ警部/ロサンゼルス市警察の警部。保護した子供を自分の子でない主張するクリスティンを精神病院に隔離する
ジェイソン・バトラー・・・ゴードン・ノースコット/連続殺人犯

映画『チェンジング』ネタバレあり感想

①骨太作品

クリント・イーストウッド作品です。この作品にはご本人は出演はされてません。クリント・イーストウッド監督作品を何作か観て感じたことは、骨太。ええ、それはもう、本当に、骨太。作品の根幹がぶっとい。
そして、なぜかはわかりませんが、また、たまたまかもしれませんが、どの作品からも古き良き時代の映画、格式高い映画という印象を持ちました。

②戦う女、アンジェリーナ・ジョリー

なぜイーストウッド作品からクラシカルな雰囲気を感じるのか?(私だけかしれませんが・・・(汗))
それを自分なりに分析してみました。
(勝手にしろ!って話だと思いますが(汗))

考えたのですが、主人公たちが、共通して孤高の人だからでしょうか???
『許されざる者』も『ミリオンダラー・ベイビー』も主人公はイーストウッドが演じていました。が、先ほども書きましたが、今回は出演されていません。
この作品『チェンジリング』の主人公はアンジェリーナ・ジョリー。
この主人公たちの共通点はなんと言っても戦う者たちだ、ということ。
アンジェリーナ・ジョリー、強い、強すぎるぜ(汗)。
最後までいなくなった息子を探し続ける母親。いや、何なら、映画が終わった後も、きっとあきらめずに探し続けるであろう母親。
「いやー、彼女は折れないだろうねえ。探し続けるだろうねえ・・・・」
と思わせる妙な説得感。
まさに逆境にも負けない鋼の強さ感。
もちろん好き嫌いはあると思うのです。強すぎて・・・。
かく言う私も、アンジェリーナジョリーのThat’s強い女感が苦手です。
「こんなに強い人、なかなかおりませんがな(汗)」
と思っちゃうのです。

③孤高の人

でも、その、主人公の孤高の人感が、不思議と役に品格を与えているというか
「スター俳優だわ・・・!」
と思わざる得ない感じを起させているのも確かだと思うのです。
間違っても、その辺の近所にいる綺麗な人ではない!という感じ。

昨今は「親近感がわく」「共感できる」というのが求められているような気がするのですが、そうでないところが、クラシカルな感じがする理由かな、と。
ちなみに孤高の人の意味を調べると

  • 周りの目を気にしない
  • 私利私欲を求めず妥協しない
  • 名誉や誇りを重視する
  • 孤立しながら自らの志を守る

「主人公たち、めっちゃ共通してるじゃん!!!」
と思いました。
改めて、
「イーストウッドの作品は戦う人間の話なんだなあ」と確信。
まさにファイターだぜ、と思いました。

④実話をもとにした作品

話は実話だそうです。
アメリカの警察問題というのは実際もちょいちょい報道されたりしていますが、ひどいもんですね・・・(日本は大丈夫かしら???(汗))。
この作品が1928年を舞台にしてますから、
「そんな前から?」
と思うと、アメリカの警察問題っていうのは、ほんとに根が深いなあと感じます。

映画ではある日急に自分の子供が行方不明になり、シングルマザーの母親クリスティンは必死で子供を探すのですが、ようやく見つかったと言って連れてこられた子が自分の子じゃなかった、ということで展開していきます。
映画の主題は本当の自分の子供を取り戻そうとする母親の戦いの話です。
ちなみに、この息子として帰ってきた子供は、もちろん自分の母親じゃないと分かっているわけで、でもここにいたいから(もっと言うと、自分の家に帰りたくないから)嘘をついていて、クリスティンの家にやって来ます。
結局ばれて本当の親元に帰されるのですが、正直
「この子やばいなあ(汗)」
と思いました。
「いやー、子供とはいえ、どう考えても、この子はもっと罰せられるべきだろう???」
と個人的には思うんですが、映画ではそれは必要ないのか、バッサリ退場させられます(笑)。
あんまり話を広げ過ぎちゃうと話の論点がぶれちゃうからでしょうか?
でも、この退場のさせ方が、
【はい、バカな子退場】
って感じで面白かったです。(シリアスな映画なんですけどね)
こんなバカな子に振り回されちゃうバカな警察っていうことなのでしょうか?
色々考えてしまいます。
ストーリーは本当の自分の子供は連続殺人犯に殺されてるかもしれない・・・という深刻な状況になっていきます。一応が逆転劇はあり得る、と暗示?希望?みたいなシーンもあるのですが、クリスティンはそれを
「希望が見えた!」
と息子を探し続ける覚悟を決めます。
観ていて、子を殺されたかもしれない母親にとっての希望って何なんだろう?と考えさせられました。
もういないかもしれないのに、一生探し続けるのがいいのか?
選択肢として、悲しい現実を受け入れて新たな一歩を歩き出す、というのもあると思うのです。
「口で言うほど簡単じゃねーんだよ(怒)!!!!」
と怒られそうですが・・・。
実際は難しい選択だなと思いますが、なんと言ってもこの作品はイーストウッド監督作品。
イーストウッドの映画の主人公はファイターですからあきらめない。
どんなに険しい苦しい道でも、絶対にあきらめない。格調高い骨太な映画でした。

⑤余談

ジョン・マルコビッチも出演されています。ジョン・マルコビッチというと、癖の強い役者さんのイメージが勝手にありましたが、こういうスタンダードなこともできちゃうわけで。(名優に対して失礼すぎる(汗))
奇をてらった何かがあるわけではないですが、ジョリーに負けない存在感もある。つまり、名優はなんでも出来ちゃうというワケですね。

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投稿者

ヤスティ

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