映画『ゴッドファーザー』情報

1972年 アメリカ映画 177分 原題 The Godfather
監督 フランシス・フォード・コッポラ

マーロン・ブランド・・・ヴィトー・コルレオーネ(父)/ニューヨーク5大ファミリーの大マフィア『コルレオーネファミリー』の長
ジェームズ・カーン・・・ソニー・コルレオーネ(長男)/ヴィトーの跡継ぎ。短気で暴れん坊
ジョン・カザール・・・フレド・コルレオーネ(次男)/気が弱く、頭も切れない、頼りにならない。女好き
アル・パチーノ・・・マイケル・コルレオーネ(三男)/インテリ。マフィアの仕事とは距離を置いていたが、抗争などを経て、二代目ドンになる
タリア・シャイア・・・コニー・コルレオーネ・リッツィ(長女)/ヴィトーの娘。兄ソニーの紹介で知り合ったカルロと恋に落ち結婚
ジャンニ・ルッソ・・・カルロ・リッツィ(長女婿)/コニーに夫。見た目だけはよいDV夫

映画『ゴッドファーザー』ネタバレあり感想

①長いがあっという間

 私は集中力がないので、3時間近くある(177分)、と聞いただけで敬遠していました。
ですがコロナの時、仕事もお休みになり、家にいることが多くなり、「こんなに時間があるときに観なかったら一生観ないのではないか?」と思い、意を決して観ました。
名作に対して失礼ですが、面白かったです!

②マーロンブランドのドンっぷりの凄さ

マーロンブランドは、もうさすが!という感じでした。
マーロンブランドは映画『欲望という名の列車』とミュージカル映画『ガイズ&ドールズ』しかみたことがなかったのですが、
「こんなおじいちゃんマーロンブランド!」
と思いました。
若い、まさに男盛りのマーロンブランドしか見たことがなかったので、
余計にそう思ったのかもしれませんが。
特に、『ガイズ&ドールズ』のスカイマスターソンを演じるマーロンブランドが、少女漫画に出てくるヒーローみたいで、とてもかっこよかったので、この変貌ぶりにびっくり!
口数少ないマフィアのドン。でも、すごい威圧感・・・。
「さすが名優と言われる人はなんでもできるのだな」と思いました。

とにかくマーロンブランドのドン感。
ずっと重厚、ひたすら重厚。
もちろんマフィア映画ですから、激しいバイオレンスシーンあります。血、流れます。
なんなら爆破もあります。ですがマーロンブランドのシーン自体に激しいアクションシーンがあるわけでもないのに、いや!だからこそ!
静寂であればあるほど、ラスボス感が半端ない。いるだけであふれ出る威圧感でした。
そんなドンは実際のファミリーも大事にする男。マフィアでなかったら、普通にいいお父ちゃんだろうな、と思います。

③残念な子供たち
長男

長男もマフィアでなかったら血の気の多い妹想いのいいやつ(?)なのですが、
残念ながら彼らはマフィア。しかも大マフィアグループの一族。
その後継者という意味では、長男はちょっとドン感が足りません。
むしろギャーギャーうるさいので、小物感すらあります。
御曹司、と言われる人たちは、特に長男は家督を継ぐために、いわゆる帝王学みたいなものを学んでるからか、あんまり感情的ではないイメージでした。個の感情より、組織での居方を叩きこまれて育つ、みたいな?
なのでなぜ、あんなに衝動的な子に育ってしまったのか・・・。
ドンがのびのび自由に育てたんだろうな、と思いました。

次男

次男はもっと冴えません。気も弱く、すぐ人に媚びを売り、利用され。
正直一回見ただけなのですが、あまり記憶にない、まさに残念な人物でした。 

三男

三男のマイケルはキレ者でした。
ちゃんとした後継者がいないと、弱肉強食の世界で淘汰されてしまうのでドン、よかったね、とも思いました。アルパチーノ、かっこいいよね、そりゃ人気出るよね。
話の途中でマイケルが、田舎の娘と、いわゆるビビビ婚をするんですが、その時の表情が、まさに絵に描いたようなビビビっぷりで、見てるこっちが恥ずかしくなって笑ってしまいました(笑)。
実際、あんなロックオンされたら女性は動揺するだろうな・・・。
『雷に打たれたような恋』
言葉にするのは簡単ですが、それを表現するのって難しいと思うのです。 
さすが名優アルパチーノ。素晴らしい色男っぷりでした。
と、素敵なシーンのように書きましたが、実はこの時のマイケル。
恋人がいるのに、偶然出会った女性に一目ぼれして、恋人にも知らせず、そのまま勝手に結婚しちゃうんです。
まさに、女の敵、許せん男です。
でも結婚したその女性が自分を狙った奴によって殺されてしまったマイケル。
傷心で帰国した彼は、なんと!再び元恋人に会って結婚するという流れなんですけど・・・。
(ちなみにこの元恋人で奥さんになる女性はダイアン・キートンが演じています。)
女性の私からしたら、「お前、よく元カノにプロポーズできたな・・・」と突っ込みどころ満載でした。

長女

なんであんなカリスマドンが、キレ者ドンが、あんなろくでなしの男に、かわいい娘を嫁がせてしまったのか?
娘さんにお願いされてダメと言えなかったのか?
娘にお願いされるとダメと言えない、娘に激アマお父さんなのか???
あんな男をうっかりファミリーに入れてしまったことで、一族に災いが降りかかり、頼りないけど大事な長男が死ぬことになってしまったのでは・・・。
娘さんからしても、普通のご家庭のお嬢さんなら、家族内のいざこざで済むところですが、
自分の見る目のなさが、家族の死までひきおこす、というのはつらいところです。

二代目決定でとりあえず終了

映画『ゴッドファーザー』ではドン、ヴィトーが死に、長男ソニーが抗争で死に、三男マイケルがコルレオーネファミリーの二代目になって終わりました。三男マイケルは頭がきれ、いざとなったらドンより容赦なしな感じなので、その分ドンに比べると、人望的なものが欠けてしまってるのでしょうか?というような不安を残して、パート1は終わりました。
そりゃ続きも見たくなりますよね(笑)

重厚なマフィア映画でした。(音楽が醸し出す、壮大な感じも素晴らしい)
家族の葛藤、ラブストーリーと色々満載で、最初は躊躇していた3時間でしたが、あっという間でした。